アメリカには魅力的な企業が沢山あり、ついつい保有銘柄を広げてしまいたくなりますよね。
ただ、私の場合は、6銘柄を超えると分散効果が効きすぎてしまい、1銘柄の全体に与えるインパクトが減るので、他にも保有したい銘柄は沢山ありますが、5銘柄+自社株(※)に厳選し、2022年の年明けから今の形に至っています。
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結論:ウォーレン・バフェットさんに倣い、保有銘柄は6銘柄までに厳選してみよう。
米国株投資をしていると、最近だとAI銘柄の中でも特に成長著しい「パランティア・テクノロジーズ」や、肥満治療薬で躍進を遂げている「イーライ・リリー」など、ついつい「新規に購入したい!」と思ってしまう銘柄・テーマ株は尽きませんよね。
私も個別株は日々物色していますので、銘柄を増やしたい欲求に駆られることがあります。
有望株は6社あれば十分
そんな時はいつも、尊敬するウォーレン・バフェットさんの言葉を思い出します。
”いくつかの業界について熟知している人でも、6社以上の株は保有すべきではないでしょう。素晴らしい企業を6社見つけることができれば、それで十分な分散投資になりますし、大金を稼ぐことができます。その6社のうちの一番の有望株に再投資する代わりに7番目の企業に投資したりすれば、それは大変な間違いです。7番目の有望株で金持ちになれることはめったにありません。” ―1998年10月15日 フロリダ大学での講演―
どうでしょうか?
上位6社の銘柄は、自分なりに研究を重ね、あまたある銘柄の中から、「これが一番伸びる!」と思って保有している訳です。
それならば、7社目に投資したい気持ちをぐっとこらえて、その分を上位6社に追加投資する方が合理的ですよね。
その自信がないなら、保有している6社は「なんとなく」選んでいる可能性が高く、見直した方が良いかもしれません。
実際バフェットさんのポートフォリオはどうなの?
上図は2024年9月末時点のBerkshire Hathaway≒バフェットさんのポートフォリオです。2,660億ドル(為替レート157円で約40兆円)と巨額の資産を、40銘柄に分散投資しています。特筆すべきは、上位6銘柄で全体の75%を占めている点です。
バフェットさん自身が上述の言葉を実践していますね。
バフェットファンならば今年に入ってアップルの持ち高を大きく減らし、他方で現金比率が大きく高まっている事はご存じかと思います。昨年末のポートフォリオも振り返ってみましょう。
上図はバフェットさんがアップル株の売却を進める前の、2023年末時点のポートフォリオです。総資産は3,510億ドルで約55兆円。
この時点まではバフェットさんはアップルに絶大な信頼を置いており、全体の50%=約27.5兆円をアップル1銘柄で保有しています。また上位6社で全体の84%を占めています。
皆さんは手元に55兆円の資産があったら、その半分を1銘柄に集中投資できますか?ちょっと想像してみると、かなり「攻めてる」ポートフォリオだと分かります。
バフェットさんの場合は、上の言葉の通り、「それだけ自信があるならば、集中投資するのが自然」という考え方なのだと思います。
裏を返せば、ポートフォリオの比率はバフェットさんの保有銘柄に対する「確信度」を示しているとも言えますね。
バフェットさんはこれまでもアップル同様に、市況や個社の業績を見極めながら、自信がある銘柄に一極集中投資し、雪だるまを大きくしてきました。コカ・コーラやアメリカン・エクスプレスなどを割安な時期に大量に仕込み、現在も保有しているのは有名ですよね。
バフェットさんの言葉にはそのような知恵が詰まっており、反芻することで新たなヒントを得る事も多いです。世界一の投資家に学ぶところは大いにあると思います。
目的を使い分ける。いい塩梅を狙う。
大きなリターンは得られなくても良いから、リスクやボラティリティを減らし、精神的な安定を得たい場合には、6銘柄以上の分散投資はありだと思います。
ただ、20銘柄以上になるとインデックス投資とパフォーマンスが大差ない(or劣後する)可能性が高く、管理の手間もかかります。
個別株投資が好きで、その20銘柄を保有している事自体が楽しい人にとっては、そのようなスタイルが合っていると思います。
反対に、個別株投資でリターンは追及したい場合には、自信があるならば、究極的には「1銘柄に全力で集中投資」が最適解ですが、リスクを考慮すると、せいぜい6銘柄に絞ることで、分散も効かせながら、個別株投資の魅力=「爆上げ」を狙っていけると思います。
6銘柄に絞る事は、「分散投資と集中投資のいい塩梅を狙う」という形かと思います。
まとめ
アメリカには魅力的な個別銘柄が沢山あり、ついつい銘柄数が増えてしまいがちですが、自分の保有銘柄に自信があり、そのインパクトを最大化したいなら、バフェットさんの言葉に倣い、6銘柄までに厳選してみましょう。
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