昨日のS&P500ヒートマップ
昨日の米国株相場はなかなか大きめの下落でした。
テスラは15%の下落で、ジェットコースター銘柄の本領発揮といった所です。
S&P500は高値(6,144)から約9%の下落。さて、こんな相場ですので、本日は私が普段ウォッチしている指標を用いて、相場観を点検してみたいと思います。
S&P500チャート(日足)
上図はS&P500の日足チャートです。トランプ就任以降の上昇(青色の太線から上)を帳消しにして、200日移動平均線を割り込みました。
S&P500チャート(週足)
もう少し長期で見ると、50週(約1年)移動平均線(青線)も割り込みました。前回の2023年10月以降(濃い青枠)、1年半ぶりに割り込んだ形です。この約1年半は青線にタッチすることなく、随分と上を推移してきたので、やはり2024年は相当ハッピーな相場だったのですね。市場が大きく貪欲に傾いていた時期とも言えます。
Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)
Fear & Greed Index(恐怖と貪欲指数)は15と「極端な恐怖」=悲観ムードに入ってきました。
Fear & Greed Indexの推移(直近1年)
同指数が20を切るのは昨年8月以降です。ちなみにその時は、S&P500は大体10%下落後、割とすぐに反発し、約2週間でその下落を取り返しています。最近の傾向として、下落しても回復が早いというのがあります。
そこから同指標は再びExtreme Greed(極端な貪欲)に向かっています。さて、今回はどうでしょうか。こればっかりは誰にも分かりません。コーヒーでも飲みながら、あれこれ想像して楽しみましょう。
VIX指数の推移
マーケットのボラティリティの指標であるVIX指数も28前後と高まっています。昨年8月5日の大幅下落時には38を付けていたようです。今週は30~40までいく可能性はありそうですね。
一旦市場の振り子が貪欲から悲観ムードに振れると、それまでの貪欲ムードが強ければ強いほど、もしくはその期間が長ければ長いほど、その振り子の振れ幅は得てして大きくなります。※この「振り子」理論については、ハワード・マークス著の「市場サイクルを極める」に詳しいです。長期投資家にはオススメの一冊。
長期投資家の仕事
その意味では、市場は長らく貪欲ムードで上げ相場の恩恵を享受してきたので、更なる悲観材料(それが何かは分かりませんが)が加われば、総悲観ムードという展開もあり得ます。
上げ相場あれば下げ相場あり。この2年間これだけ上がったのですから、今回の下げがそれであるかは分かりませんが、つらくて長い下げ相場とセットで考える、即ち、次なる上げ相場まで、しっかり耐える必要はあります。
耐えること。それは長期投資家の大事なお仕事の一つです。
PERの推移
3/10時点のPER推移です(恐らく昨日の下落は未反映)。2月頃にPER22倍の線にタッチして、そこから押し返された形です。ただ、現時点でもPERは21倍前後と、そこまで割安ではないです。
むしろ過熱感がそぎ落とされ、適正な水準に修正されているようにも感じます。企業の業績は悪くないので、悲観ムードが強まれば、PER20倍を割り込む、即ち、もう一段の下げ余地ありに見えます。
まとめ
S&P500は久々に200日移動平均線や、50週移動平均線を割り込み、Fear & Greed Indexは15と「極端な恐怖」=悲観ムードに入ってきました。
但し、PERは21倍前後とまだまだ割高感はあり、むしろ適正な水準に修正されている感もあり、それはそれで良い流れとも感じます。
今回の下落のきっかけはトランプ大統領の言動(市場は関税政策などが米景気を下押しすると警戒)かと思われますが、今回はたまたまそれが理由だっただけで、現時点では年に数回はある、ごく普通の調整の範疇かと思います。
私の今後の対応
基本的にやる事は変わりません。毎月の月初に決まった額を、決まった銘柄(ハイテク個別株+S&P500連動の投信)に投資します。このような下げ相場では、安く仕込めるので将来(1年後、5年後、10年後)から振り返れば良い買い場となっている可能性は高いです。
S&P500インデックスファンドの保有者であれば、一番やってはいけないのは慌てて売ってしまう事。次にダメなのは積立投資を止めてしまう事。減額するでもなく、増額するでもなく、冷静に定額の積立投資を継続するのが理に適っていると思う次第です。
※蛇足ですが、余力資金で短期でうねりを取るには妙味が出てきたのも事実です。それにはついては、また余裕があれば書きます。
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