米国医療保険の最大手、ユナイテッドヘルス(UNH)の株価が大きく沈んでいます。
逆張りが好きな私としては食指が動きます。果たして買いなのか?検証してみたいと思います。
※あくまで自己判断のための検証ですので、買いを推奨するものではありません。
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とは?
米国最大の医療保険会社です。
古いですが、企業概要は以下記事が参考になります。
https://www.americakabu.com/entry/UNH
https://yosizou.com/incorporate-defensive-stocks-this-year/
ディフェンシブ銘柄のイメージですが、株価はグロース株のような勢いで成長してきた優良銘柄です。
株価が急落。チャートをみてみましょう。
上図は日足チャートです。凄まじい落ち方ですね。
RSIは売られ過ぎのサインである30を大きく下回っています。
割高/割安の指標であるPERは?
https://jp.tradingview.com/symbols/NYSE-UNH/
直近のPERは11.47倍のようです。
2020年以降は20倍以上で推移。2024年Q4時点では32倍以上でした。
急落の原因は?
時系列で纏めてみます。優良銘柄の悪材料がここまで重なる事は珍しいですね。売りが売りを呼び、時価総額は半減。株価は5年前の水準に巻き戻りました。
- 2024年2月:子会社であるChange Healthcareがサイバー攻撃を受け、1億9,000万人の個人情報が流出
- 2024年12月:CEO射殺事件を端緒とする保険金不払いに伴う批判
- 2025年4月16日:2025年第1四半期決算で、売上・利益ともに市場予想を下回り、年間利益見通しを大幅に下方修正。これを受けて株価は約20%急落し、過去30年で最大の下落幅を記録。
- 2025年5月13日:アンドリュー・ウィッティCEOが「個人的な理由」で即日辞任。会社は2025年通期業績見通しも撤回。株価はさらに10%超下落し、2か月で時価総額は半減。
- 2025年5月15日:メディケア詐欺に関する司法省の調査報道を受け、株価は約10%下落。
かなり売り込まれているが、買うならどのように買うか?
買うならこんな感じでしょうか。
過去最高は630ドルですが、基準値は切りよく600ドルとして、その50%の300ドルから入り、5%下落する毎に買い下がっていく形。
現在の株価水準なら黄色ハイライトの50%と55%は、十分に約定する可能性があります。
さすがに70%ドローダウンの180ドルまではいかないと思いますが、万が一そこまで下がれば、投入額を増やしても良いかと。
売りの目安は450ドルですかね。現在の300ドル付近の仕込みが、半値戻しでも+50%の利益となります。
株価が長期低迷するリスクもある。ポイントは資金を入れ過ぎないこと。
さて、直近のS&P500はあっという間に回復したので、下落時にうまく仕込めた人は1か月程度でそこそこの利益を取れました。しかし、個別株となると要注意です。
悪材料が解消されなければ、更にズルズルと下がっていき、1年以上低迷する事はざらにあります。
例えば上図はペイパルの長期チャートです。
私は2021年11月頃、200ドルを切ったあたり(赤丸)から反発を期待して買い下がっていきましたが、結局その投資は失敗に終わりました。
買い:2021年11月~2022年4月まで。買付単価は207ドル~91ドル。投入金額は210万円。
売り:2022年11月~2023年7月まで。売却単価は91ドル~67ドル。回収額は100万円。
損失:約110万円。※為替損益を考慮せず。
私の個別株経験の中で、最大の失敗だと記憶しています。
この期間、素直にS&P500指数を買っていれば為替も考慮すれば+60%ぐらいですし、MANTA(エヌビディアやマイクロソフト等、自分の主力株)に投資していれば2倍以上に大きく育っていました。
つまり、短期の反発が期待できないのであれば、その資金を素直に自分の主力株に投入する方が理に適っています。少なくとも私の場合は。
尊敬するバフェットさんも「分散は6銘柄まで」と言っています。詳しくは以下記事をご参照ください。
個別株の銘柄数が増えてしまう方へ。分散は6銘柄まで。 - 体育会系商社マンの米国株投資
ここまで書いて、結局自分はどうするか?
ポイントは半値戻し(450ドル)まで回復する好材料は何か?とその確信度になります。
次回の決算(7月16日)で根本的な業績悪化要因を払拭し、再び安定軌道の見通しを出せれば、投資家心理も改善するでしょう。
しかし、私には確信をもって買い持ちを続けるに足る、UNHに対する知見・経験値が乏しいです。
従い株価がQ2の決算発表以降も低迷した場合に、再び買い持ちするか、損切するか、という判断に迫られる事になります。
たとえそこで適切な判断が出来たとしても、精神的にはストレスとなります。
でも、投資額としてはせいぜい数十万円~100万円と少額です。
金額の大小に関わらず、こういった投資はエネルギーを使います。
王道である、自分の主力株に投資をする
今週~来週にかけて短期の反発はあり得ますが、そればかりは神のみぞ知る世界です。
私にはその短期の反発に関しても確信度がありませんので、明らかに割安ではありますが、今回は「買い」で入るのは、控えようと思います。
その20万円~100万円ぐらいの資金があるのであれば、今長期で育てようとしているオーロラ(AUR)に追加投資するのが王道との考えに至りました。
まとめ
大きく売り込まれているUNHですが、私の経験値では反発のタイミングが読めず、その確信度も低いため、単なるギャンブルに近い投資となってしまうため、UNHへの投資は様子見としました。
勿論、投資しないとUNHに対する知見・経験値は貯まらないため、ドブに捨てても良いぐらいの金額から、エイヤで踏み込むのもアリなのですが、今は自身の現金余力が低い事、オーロラという新たな7銘柄目の保有株を育てている段階なので、無理はしない事にしました。
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