体育会系商社マンの米国株投資

経済的自立を達成し、会社に帰属せずとも自分らしい自由な人生を目指しています。

OpenAIとMicrosoft

本日も中島聡さんのメルマガから、私の関心を惹いた記事をご紹介します。

YouTubeの「切り抜き職人」のようですが、良質な情報が盛り沢山なので、今後も本ブログの読者の方に共有していきたく、お許しくださいませ。

Microsoftは私の中では「生成AI銘柄」

先に私のコメントを書いておきます。

現在の世界のイノベーションのど真ん中は「生成AI」「半導体」

私のポートフォリオの約8%を占めるMicrosoftですが、現在は「生成AI銘柄」の位置付けで保有しています。特にMicrosoft株(8%)とNVIDIA株(15%)を通じて、今後更に拡大していく生成AI市場のイノベーションとその果実を取り込むイメージです。

その最たる理由は、OpenAIとの圧倒的に有利な契約条件です。

OpenAIの成長に乗る一番近い方法

生成AI市場で第一線を走るOpenAI。

その株を買いたいと思う方も多いと思いますが、未上場なので株は買えません。

現在、OpenAIの成長に乗る一番近い方法は、Microsoftの株を買う/保有することだと思います。

詳細は以下の記事をご覧いただきたいのですが、どう見てもMicrosoftはOpenAIに対して有利な立場にあり、それが生成AI市場におけるMicrosoftの存在感を高めています。

持分比率を増やすのか、売上の●●%が還元されるのか、どのような形で着地するかは分かりませんが、いずれにせよOpenAIの成長を取り込み、Microsoft自身はその収益と知的所有権を梃に更なる研究開発や次のイノベーション投資に充てる……という盤石なシナリオが期待されます。

もともと2019年にOpenAIに目をつけて10億ドルを出資していたのも流石ですが、2023年11月のサム・アルトマンCEO一時解任・再任のゴタゴタの際に、颯爽と現れて有利な条件を引き出した、サティア・ナデラの手腕には脱帽です。

来たる未来が見えていないと、瞬時にこのようなディールはできません。

イーロン・マスクもAI市場のキーマンの一人であり大ファンなので応援(イーロンが好きという一点でTesla株を保有)していますが、OpenAIに対する姿勢はちょっと場当たり的にも見えます。というかそれが彼の基本スタイルですね。

一方、サティア・ナデラの手法にはしたたかさが光ります。

玄人好みですね。見た目もシブいです。今後のOpenAIとMicrosoftの交渉にも注目ですね。

それでは以下、中島聡さんの記事をご参照下さい。

中島聡さんの記事

OpenAI Seeks New Financial Concessions From Microsoft, a Top Shareholder — The Information

OpenAIとMicrosoftの間の交渉のアップデートです。OpenAIは、非営利団体のステータスを維持したままMicrosoftから資金を受けるために、いくつかの特殊な条件を付けましたが、それが、営利団体への切り替えに際して障害になっているのです。

一番大きな問題は「売り上げの20%をMicrosoftに渡す」という条件で、この条件を付けたままでは、営利団体になったとしても上場が出来ません。この条件を外さずに、今のペースでOpenAIが成長すれば、2030年にはその支払いが $35 billion(約5兆円)に膨れ上がってしまいます。

Microsoftの2024年(6月締め)の利益が$88.14billionであったことを考えると、これはとんでもない額です。OpenAIからMicrosoftへの支払いには経費がかからないため(サーバーの使用料金は、別途OpenAIがMicrosoftに支払います)、これは純利なのです。

当然ですが、Microsoftがタダではこの権利を手放すわけがなく、OpenAIはMicrosoftの持分を増やすことで対応しようとしているようで、この記事によると、OpenAI側は33%で手を打ちたいと提案しているそうです。

仮にOpenAIの企業価値が2030年に$1trillionになったとすると、33%は$333billionであり、それと$35billionの純利を比べると、後者の方がはるかに魅力的であり、これは厳しい交渉になりそうです。

Microsoftはさらに、OpenAIが持つ知的所有権全てにアクセスする権利を持ちますが、このままだと、その権利が、OpenAIが買収しようとしているWindsurfの知的所有権にまで及んでしまう点が、問題になっているとのことです。

Windsurfは、MicrosoftのCopilotの競合であり、その競合のソフトウェアをMicrosoftが自由に使えるようになることは、OpenAI/Windsurf側にとっては大きな懸念です。

Microsoft側は、当然ですが「今の条件のままでWindsurfを買収すること」に合意していますが、Windsurf側は、この買収が「まだ確定はしていない」と発言したそうです。つまり、この買収交渉はまだ、破談になる可能性があるということです。

いずれのケースにおいても、Microsoftの方が圧倒的に強い立場にあり、OpenAIへの投資を決めた際のSatya Nadella(Microsoft CEO)の交渉手腕が光ります。

最終的にどんな形で決着するかを予想するのは不可能ですが、Microsoftにとって悪い結果にはならないことだけは、ほぼ確実だと思います。

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